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- コネクトコネクション:デジタルカメラ編
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- PDR-2 ”Allegretto”(東芝)
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- 山口光樹
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- 「今とりあえず欲しいのはデジカメとターンテーブル!」と女子高生の様な事
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- を言い始めて早数ヶ月。試しに秋葉原の店頭をぶらついてみたり、デジカメ専門
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- 誌を立ち読みしてみたり、何とは無しに良さげなデジカメを物色していたところ、
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- 私の心を強烈にキャッチして離さない、そんな商品を見つけました。それが今回
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- 購入した東芝のPDR-2、愛称 Allegretto (アレグレット)です。
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- ● デジカメに何を求めるか?
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- 最近流行りのデジタルカメラ、以前から漠然と欲しいとは感じていました。映
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- 像を手軽にパソコンに入力できる…これは魅力的です。元祖AVマシン X680x0
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- ユーザーとしては黙って見ている手はありません。しかしそれだけならばビデオ
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- カメラ+イメージユニットという組み合わせや(フィルム)カメラ+スキャナと
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- いう組み合わせも存在します。そこで敢えてデジカメを使う理由は何か? それは、
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- %V%W「機動力」
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- これに尽きるでしょう。24時間365日肌身離さず持ち歩き、ここぞとあれば
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- シャッターを切る、これぞ正しいデジカメの使い方。とまあこのような結論に達
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- した私が商品選択のポイントに挙げたのは以下の点です。
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- ・とにかく小さくて軽いこと。ビデオ出力や液晶画面は不要。
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- ・それでいて沢山の枚数が撮れる事。具体的にはリムーバブ
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- ルメディアをサポートしていること。
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- ・画質は多少悪くても構わない。画質を追求するならばフィ
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- ルムカメラを使えば良い。
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- ・X680x0 でも使用可能なこと(当然)。
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- これらの条件を満たす唯一?のデジカメが Allegretto だったのです。
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- ● Allegretto のスペック
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- イメージセンサ :1/4 インチ33万画素CMOSイメージセンサ
- イメージサイズ :水平640ドット垂直480ドット(VGA)
- 画像圧縮形式 :JPEG(exif 形式)
- 画像圧縮率 :1/8(ファインモード)
- 1/16(スタンダードモード)
- 階調再現性 :24ビットフルカラー
- 撮影可能枚数(2MB記録時)
- :24枚(ファインモード)
- 48枚(スタンダードモード)
- 感度 :ISO100相当
- 焦点距離 :4.9mm(35mmカメラ換算値:49mm)
- 最大口径比 :F2.8
- シャッタ :メカニカルシャッタ
- シャッタスピード:自動(1/8-1/1000)
- ホワイトバランス:自動
- ビューファインダー:光学式
- 電源 :CR123A (3V Li) 1本
- 消費電力 :2.4W(Max.)
- 質量 :130g(電池含まず)
- 外形寸法 :幅105mm
- 高さ55mm
- 奥行き20mm(突起部含まず)
- 付属品 :スマートメディア
- 電池 CR123A 1本
- CD-ROM(PDR-2)
- ・ImageExpert(TM)(SierraImaging社製)
- ・取扱説明
- ・プレビュー
- CD-ROM(LivePix(TM)SE(LivePicture社製)
- クイックリファレンスガイド
- 保証書
- ソフトケース/ハンドストラップ
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- 上記は仕様書をそのまま打ち込んだものですが、その他に
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- ・PCカードスロットに直接接続可能
- ・3.3V スマートメディア採用
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- という特徴があります。なお、スマートメディアは2MBの物が1枚付属します
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- が、初期出荷分にはこれが2枚付属してきます。私が購入したパッケージには2
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- 枚付属していました。それもそのはず、発売から2週間と立っていませんでした
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- から。
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- ● 購入価格
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- 秋葉原のラオックス・ザ・コンピューター館にて税別¥49800でした。秋
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- 葉原界隈ではだいたいこの価格のようです。
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- ● 気になるデータのやりとりは?(ハード接続編)
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- 上記の通り、 Allegretto はスマートメディアを使用します。スマートメディ
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- アとは、
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- ◎スマートメディア TYPE=CLI:KT PIC SSFCD.PIC
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- のような形状の切手サイズのメディアです。これだけのサイズなら予備のメディ
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- アを財布に忍ばせておくといった事も可能です。なお、スマートメディアには
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- 「5V タイプ」と「3.3V タイプ」が存在し、Allegretto は 3.3V タイプ専用な
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- ので注意して下さい。
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- さてスマートメディアに画像を記録し、これを X680x0 に持ってくる方法です
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- が、スマートメディアをPCカードに変換するアダプタ(別売・注1)を使用す
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- る他に、なんとこの Allegretto は、
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- %V%W「裏蓋を開けると(裏蓋が)PCカードになる」
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- という驚異の設計になっています。そのため、普段はスマートメディアの出し入
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- れをする必要はなく、裏蓋を開けてPCカードスロットに挿入すればOKです。
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- 注1:「激光電脳倶楽部1号」掲載のDS-10のレポート
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- に詳細が記述されています。
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- 具体的には以下の様に使用します。
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- ・X680x0 にPCカードドライブを接続する。編集部では
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- SCSI に接続するタイプの PCD500(KERNEL) を使用しました
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- (注2)。
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- 注2:「月刊電脳倶楽部104号」にPCカードドライブ
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- PCD-500のレポートが掲載されています。
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- ・SUSIE -id1 @: と打ち込む。
- ^ これは SCSI-ID につき貴方の環境に合わせて
- どうぞ
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- こうするとPCカードドライブがMOとして認識されます
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- (MOと全く同じ要領)。
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- ・Allegretto の裏蓋を開け、PCカードドライブに挿入す
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- る。そうすると .JPG ファイルがセーブされているのでこれ
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- をロード。
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- Allegretto のPCカードとしての(?)使い勝手はMOと変わりません。但
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- しオートイジェクトはできませんので手で抜きましょう。電源を入れたまま
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- Allegretto を抜き差ししても構わないようです(あ、間違っても SCSI ケーブ
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- ルを電源入れたまま抜き差ししないように!)。なお、裏技として Allegretto
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- を X680x0 とPCカードドライブ付きのノートパソコンとの間のデータ転送メディ
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- アとしても使えます。あまり意味はありませんが。
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- 注意点としては、
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- ・「スマートメディアは Windows95 マシンでフォーマットする」
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- という事が挙げられます。最初 Allegretto の「全消去」でスマートメディアを
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- フォーマットしたのですが、この状態で X680x0 に接続したPCカードドライブ
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- に挿入してもメディアを認識せず少々戸惑いました。が、Windows95 マシンでフォ
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- ーマットした後撮影を行うと無事認識されました。注意深く観察してみると、
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- Allegretto 本体でフォーマットした時と Windows95 マシンでフォーマットした
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- 時とでは容量が違うようです。この辺が鍵のようですね。一度フォーマットして
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- しまえば、あとは X680x0 で自由に読み書き出来ます。画像で一杯になったスマ
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- ートメディアは X680x0 で画像を削除すればまた使用できます。スマートメディ
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- アを買ってきたら、会社のゲイツ窓でフォーマットしちゃいましょう(編集部で
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- は PC-9821Xa を使用しました)。
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- また、Mach-2 を使用するとデータが化ける事があるようです(先頭の1バイト
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- が $FF -> $00 になる)。原因は今のところ不明ですがデジカメが高速 SCSI に
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- 追い付いていないのでしょうか。とりあえず内蔵 SCSI で使いましょう(Mach-2
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- 使用されている方は TNB 製作所の TWOSCSI を使います)。
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- ● 気になるデータのやりとりは?(ソフト接続編)
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- これで無事 X680x0 に .JPG を持ってくる事ができました。が、注意点がもう
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- 1つあります。
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- ・「.JPG は JPGL.X (電脳倶楽部53号掲載)又は DJ.X (電脳倶楽部別冊16号
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- 掲載)を使用する」
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- 最初、いつも愛用している JPEGED.X を使用したのですが、これでは正常にロ
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- ードできないようです(なにかビット化け?の様な画像になる)。JPGL.X 又は
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- DJ.X を使いましょう。
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- ◎サンプル(色見本帳) TYPE=EXE:DJ -ai COLOR.JPG
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- ● 撮影法
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- 本体に装備されているスイッチ/ボタンは以下の5つです。
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- ・電源
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- ・シャッター(半押しで露出ロック)
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- ・撮影モード(ファイン/スタンダード)
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- ・ディスプレイモード(液晶画面には通常、撮影可能枚数が
- 表示されていますが、これを押している間は「今まで撮影し
- た枚数」が表示されます)
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- ・消去
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- 機能がシンプルにしぼり込まれているため、操作も非常にシンプルです。電源
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- を入れて、シャッター半押しで露出を合わせたあと、深く押し込めば撮影されま
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- す。シャッターはメカニカルシャッターなので押す時に「カシャリ」と音がする
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- のが心地よいです。この時、露出がアンダー又はオーバーだった場合、緑のLE
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- Dが点滅して警告を発します(シャッターは切れます)。
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- ● 使い勝手&サンプル画像
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- 2週間ほど使ってみた感想です。
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- ・とにかく小さい!軽い!
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- いつも持ち運べる気軽な大きさ。胸のポケットにも入ります。本当にいつも持
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- ち歩いてこんな写真を撮っています。
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- ◎失われた言語(撮影地:JR東京駅) TYPE=EXE:DJ -ai EDEN.JPG
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- ◎何の店なんだろう…(撮影地:渋谷) TYPE=EXE:DJ -ai HOKAN.JPG
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- ◎雑炊はじめました(撮影地:西池袋) TYPE=EXE:DJ -ai ZOUSUI.JPG
- (以上3点、高画質モード)
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- ◎晴海陥落(撮影地:晴海/東館跡地) TYPE=EXE:DJ -ai HARUMI.JPG
- (標準画質モード)
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- 軽いので必ず両手で持って撮影しましょう。ブレます。
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- ・ファインダーに視差がある
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- Allegretto は受光素子の上に光学ファインダーが付いていて、これをのぞい
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- て撮影を行うのですが、そのためファインダーから見えた風景のやや下が写りま
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- す。また、視野率も100%ではないようで、ファインダーから見えた範囲より
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- もやや狭い範囲が写るようです。慣れないうちは何度も首の無い写真を撮ってし
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- まいました。
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- ・やはり画質が…
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- 最近の高画質化したデジカメと比べるとかなり見劣りします。解像度や色再現
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- 性以外にも画面の端が歪む事も気になります。サンプルを御覧になった感想はい
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- かがですか?
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- ・暗い所に弱い
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- 最大の欠点。明かりを付けていない昼間の室内でも露出アンダーという警告が
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- 出ます。また、明かりを付けた夜の室内でも少し光源から離れると警告が出ます。
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- うーん。ストロボも付いていないので暗いところはお手上げです。
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- ・電池の値段が高い
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- CR123A はコンビニでも買う事ができるメジャーな電池です。その点は安心出
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- 来ますが1個700円以上します。
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- ・撮影すると本体裏に鼻の脂が付いて恥ずかしい
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- …開発者に女性スタッフいなかったんだろうな(大きなお世話)。
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- ● 結論
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- 最大の問題はやはり画質でしょうか。メモ程度と考えてもちょっと…という感
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- じです。
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- 画質もイマイチ、液晶画面も付いていないと色々欠点はあります。もちろん画
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- 質はいいに越したことはありませんし、液晶付きデジカメの持つコミュニケーショ
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- ンツールとしての魅力も捨て難いものがあります。しかし私のように「デジカメ
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- は機動力が命!」と割り切って使うのもそれはそれで良いのではないでしょうか。
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- (EOF)